学習塾という事業において、最も重要な役割は間違いなく「合格」や「成績を上げること」です。
これは塾が存在する根本的な理由であり、生徒や保護者が期待する最大の成果です。
その期待に応えられず、ただ自分たちのやりたい教育を実践してもそれは単なるエゴでしかない。
それほどに「合格」や「成績」は重要であり、避けては通れない責任です。
しかし、その成果を達成するためにこそ、僕は「人間性」に目を向けることの重要性を強く感じています。
「成績を上げること」と「人間性を育むこと」は対立するものではなく、むしろ両者は深く結びついているのです。
学力向上を目指す中で、学ぶ姿勢や努力する力、目標に向かう覚悟といった人間性の要素を育てることこそが、長期的な成功につながると信じています。
これは木に例えるとわかりやすいかもしれません。
成績は枝葉です。枝葉をいくら美しくしようと手を加えても、幹が太く、根が深く育っていなければ、その木は強風や厳しい環境に耐えられず、すぐに枯れてしまいます。一時的に枝葉を広げることはできても、それは長続きしないのです。逆に、幹や根がしっかりと育っている木は、どんな環境でも力強く枝葉を広げ、やがて美しい花を咲かせ、実を結ぶことができます。
同じように、塾での教育も、表面的な成績向上だけを追い求めるのではなく、根本的な人間性を育むことが必要です。
勉強を通じて学ぶ姿勢や努力の大切さを知り、目標に向かう力を養う。
それができていれば、生徒たちは学力だけでなく、人生の中で立ち向かうさまざまな課題にも負けない強さを持つようになるでしょう。
そしてその結果として、成績という成果も自然とついてくるのです。
人間性を土台とした教育は、単に学力を伸ばすための手段ではありません。
それは生徒たちが生涯にわたって自分の力を最大限に発揮し、なりたい自分になるための基盤でもあります。
そうした成長を促す場を提供することが、学習塾の本来の使命ではないでしょうか。
このような考えのもと、僕は塾という場を「枝葉」だけでなく「幹」や「根」を育てる場所として位置づけています。
もちろん、成績向上という結果をおろそかにすることはありません。
しかし、それを支える基盤となる人間性を見つめ直すことで、生徒たちの成長をもっと根本的な部分から支えたい。
そのような想いを持ちながら、僕はこれからも生徒たちと向き合い続けていきたいと思います。
合格という目標のために「人間性」を育てる。それが僕の信じる教育の在り方であり、塾が提供すべき本質的な価値だと考えています。