こんにちは。Nii School代表の武末です。
今日は、「信頼関係を築くにはどうしたらいいか?」というテーマで、心理学や科学的な視点を交えながら話してみたいと思います。
信頼は“才能”じゃない、“積み重ね”だ
まず最初に伝えたいのは、
信頼関係を築くのに特別な才能はいらないということです。
誰かから信頼される人って、「人柄がいいから」「優しいから」みたいに思われがちだけど、
実際には、心理学的にも“具体的な行動の積み重ね”で信頼は形成されていくことが分かっています。
たとえば、有名な心理学者ジョン・ゴットマンは、夫婦関係の研究を通して**「信頼は小さな積立貯金のようなもの」**だと言っています。
日々の小さなやり取り、丁寧な返事、ちょっとした共感やリアクション。
その一つひとつが“信頼の残高”を増やしていくわけです。
これは、人間関係すべてに言えることだと僕は思っています。
信頼は「共感」と「一貫性」から生まれる
じゃあ、具体的に何をすれば信頼関係が築けるのか?
僕が現場でずっと大切にしているのは、この2つです。
1. 共感する力
これは単なる「同意」じゃなくて、相手の気持ちを想像して受け止める力のことです。
たとえば、何か失敗した子がいたとして、
「なんでそんなことしたの?」じゃなくて、
「そのとき、どう思った?」と聞く。
そうやって相手の感情を受け止める姿勢を見せるだけで、相手の心の扉が少しずつ開いていくんです。
これは心理学でいう「アクティブリスニング(積極的傾聴)」とも関係していて、
“自分の気持ちが理解された”と感じたとき、人は相手を信頼しやすくなるという研究結果があります。
2. 一貫性のある態度
これは、言っていることとやっていることが一致しているかということ。
人は、予測できない相手に対して本能的に不安を感じます。
だからこそ、「この人はブレないな」「いつもちゃんと対応してくれるな」と思える人に対して、信頼を抱くようになります。
つまり、その場のノリや感情で対応を変えないことが、信頼構築の基盤になります。
信頼を壊すのは、一瞬
積み重ねた信頼は、小さなことで崩れることがあります。
これは**「ネガティビティ・バイアス」**という脳の特性によるもので、
人はポジティブな出来事よりも、ネガティブな出来事の方を強く記憶する傾向があるんです。
つまり、何百回「大丈夫」と言っても、たった一度の裏切りや冷たい対応で信頼は簡単に崩れてしまう。
だからこそ、僕たちは**“丁寧に接すること”を当たり前のようにできる力**を持たなければいけないと思っています。
生徒との信頼関係が、未来を変える
僕たちの仕事は、単に教科を教えることじゃありません。
「この人となら、頑張れる」と思ってもらえること。
それが指導者としての一番の価値だと思っています。
信頼関係ができた瞬間、
生徒の表情は変わるし、行動も変わる。
勉強への向き合い方も、努力の質も変わっていく。
だから僕は、教える前に、信頼関係をつくることを最優先にしています。
最後に
信頼は、積み重ねです。
ちょっとした声かけ、表情、返事の仕方。
そういう細部の積み重ねが、やがて揺るぎない信頼をつくります。
誰かと本気で向き合いたいと思ったら、
共感と一貫性を持って、目の前の相手と丁寧に関わること。
これが、どんな場面でも通用する「信頼の技術」だと思っています。
それではまた!