こんにちは。Nii School代表の武末です。
今日は、現場で頑張る若手の先生方に向けて、僕自身が若手時代に理解しきれなかった、でも今なら心から納得できる大切なことについてお話ししたいと思います。
テーマは、『まず理解すべきは、保護者の子を想う気持ち』ということ。
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若い頃、僕は「過保護」に違和感を覚えていた
教員になりたての頃。
僕は、保護者の“過保護さ”に、少し距離を感じていました。
「ちょっとしたケガで、なんでわざわざ学校に来るんだろう」
「そんなに守らなくても、子どもはもっとできるのに」
そう思うことも正直ありました。
でも、それは当時の僕が、“自分の視点”しか持っていなかったからです。
今ははっきり言えます。
『それは、心からの愛だったんだ』と。
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我が子ができて、初めて見えてきた世界
僕自身、父親になってみて、ようやくわかったことがあります。
子どもが熱を出したとき、
泣いている声がしたとき、
何かに悔しがっているとき。
理屈じゃなく、心が反応するんです。
「守りたい」「何かできないか」と思ってしまう。
それが、親としての本能に近い感情でした。
もちろん、僕自身はそこまで過干渉ではないと思っています。
でも、それでもわかる。
『理屈じゃ説明できない、“大切なものを想う気持ち”が、確かにそこにはある』ということ。
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リスペクトがなければ、本当の対話は始まらない
学校現場で保護者と関わる中で、
つい「わかってもらおう」とする姿勢になってしまうことがあります。
でも、本当に必要なのはその逆。
『まず、わかろうとすること』です。
保護者にとって、目の前の子どもは、
人生をかけて育てている、かけがえのない存在。
僕たちはプロの指導者として、学力や人間性を育てる立場にいますが、親の「守りたい」という気持ちへのリスペクトなくして、本音で語り合うことはできません。
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何か「自分の一番大切なもの」を思い浮かべてみてほしい
もし、まだ親の気持ちを想像するのが難しいなと思う人がいたら、ぜひ一度、自分にとって『一番大切なもの』を思い浮かべてみてください。
大好きな家族でも、
長年続けた趣味でも、
命をかけて守りたいと思えるような存在でもいい。
その大切なものが、傷つけられそうになったり、
軽く扱われたらどう感じるか。
きっと、「自分のこと以上に大事にしたい」という気持ちが湧いてくると思います。
保護者が持っているのは、まさにそれなんです。
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最後に
教育は、子どもと私たちだけで完結するものではありません。
その子どもを何年も前から支えてきたご家庭があって、その想いや不安、喜びや願いが積み重なった上に、今の教育があります。
だからこそ、若い先生たちに伝えたいのは、
『まず、保護者の“子を想う気持ち”を理解しようとする姿勢を持ってほしい』ということです。
その理解があって初めて、
僕たちは教育のパートナーとして信頼され、
本当の意味で子どもを支える存在になれると思うのです。
それではまた。