いつも読んでくださりありがとうございます。
さて、今回のテーマは「挫折」です。
なぜこのテーマかと言いますと、この夏、1週間の閉校期間を利用して九州へ帰省した際、地元の町並みから思い出した経験の多くが挫折だったからです。
今日は少し僕の経験からお話をさせて頂こうと思います。
僕の家は、両親の仲が悪く、親同士が敬語で話をしていました。
これは物心ついた時からでしたので、どの家庭も本気で親同士は敬語なんだと思っていました。
父と一緒に住んだことはなく、父とはサッカーの送り迎えの時に話したり、たまにご飯を食べ行く程度でした。
たまに家へ父が来ると父と母は喧嘩をし、皿が割れることもありました。
そんな時、妹が泣くのでその妹の気を紛らわせることに必死だったことを覚えています。
サッカーの送り迎えの時、友達の両親が仲良く話しているのを見て、羨ましいなと思ったことは何度もあります。
なんでうちだけこんな環境なんだと思っていました。
小学生の時に、他の家族と比べるようになったのでこの時「挫折」という気持ちに近かったと思います。
そういうストレスが蓄積されていたのかわかりませんが、中3の時、人生に大きな挫折が訪れます。
中3の秋頃でした。
高校受験の模試を受験している時、急に気分が悪くなり、目の前が真っ暗になりました。
貧血で倒れてしまい、救護室で睡眠不足だろうねと塾の先生に言われその日は帰りました。
気にしなかった僕は、次の日、塾へいってまた授業を受けようとすると動悸がして気分が悪くなり早退。
なんだかおかしいなと思った時にはもう手遅れで、それからいろんな状況で動悸がしてついには電車に乗れなくなってしまいました。
病院へ行くと、診断はパニック障害。
今でこそ、パニック障害という言葉を聞く機会が増えましたが、当時はただの「怠け」「逃げ」と言われる病気です。
授業を帰っても「サボり」。授業中に動悸がして顔を伏せていても「寝てる」。
説明しても誰も理解してくれませんでした。
この時、どうしようもない状況にとてつもない「挫折」を経験しました。
塾には通えなくなり、学校生活もぎりぎりの状態でしたが、なんとか冬休みを迎えることができました。
友達が塾の冬季講習へ向かう中、自分は学校で1人黙々と教室で勉強していました。
いろんな先生が声をかけてくれましたが何も嬉しくありませんでした。
当時は心が荒んでいて、「どうせ俺の苦しさや辛さなんてわからないだろ」と思っていました。
それほど余裕がなかったのだろうと思います。
ただ、僕は根っからの負けず嫌いでしたから、塾へ行く友達には絶対負けないと心に決め、年末年始関係なく勉強をしました。
しかし、いくら勉強しても試験となれば動悸がして気分が悪くなり試験時間の半分はまともに問題が解けないのです。
なんで勉強を頑張ったのにその成果を出せないんだと思いました。
そんな時、僕に手を差し伸べてくれたのが母校でした。
僕が高校生の時は公立高校も学費が必要でしたので、県で一番の私立高校の特待生として入学しようと考えていました。
しかし、特待生に合格する水準は高く、実力を出せない限り一般での合格となってしまいます。
僕の状況を説明すると発熱でもないのに保健室受験を認めてくれ、何度も保健室の先生から「途中退室をしてもいいし、試験をやめてもいいから安心して受験してね」と言ってもらいました。
僕のパニック障害は、その場に居続けなければならないという不安が取り除かれると安心することができ、動悸がしなくなります。
そのため、このように保健室の先生に言ってもらえて安心して試験を受けることができ、実力を出すことができました。
結果的に、特待生(奨学生)として入学し、金銭的負担を極力減らすことができたように思います。
この時人生で初めて、僕の努力ではどうしようもない困難を周りの支えによって救われた経験をしました。
それまでは、全て自分の努力次第で良い方向に持っていくことができたのです。
しかし、この高校受験の時にはどうもがいてもうまくいきませんでした。
僕はこの頃から、周りの人が困っていたら積極的に助け、少しでも元気を出してもらえるようにサポートしようと思うようになりました。
と、ここまで書いてきて、まだまだ終わりそうにないので、高校入学以降は次回に持ち越しとします笑
この時はまだ、これ以降も挫折の連続だとは思ってもいませんでした。
でも、振り返るとこの挫折が今の自分の軸をつくり、支えとなっています。
僕は生徒たちを指導する中でいつも葛藤していることがあります。
それは「結論」を教えてしまいそうになることです。
生徒たちがNii Schoolを旅立って大学生になった時、高校生活とは違う困難に直面すると思います。
大学を卒業したらなおさらです。
そんな時、結論を他人に求めるのではなく、自分の頭で考え、チャレンジし、少しでも前へ進んでいける生徒たちに育てていきたいと思っています。
だからこそ、授業中の指導はもちろんですが、閉校期間中もできる限り質問対応は行い、モチベーションが上がっていない生徒には声をかけ続けました。
大切なのは、自分で自分のモチベーションを高め、自分の力で前へ進んでいける力を身につけることです。
これからも、生徒たちに対し、徹底した学習指導はもちろんですが、その中でもこれからの人生を見据え、場当たり的な指導にならないよう気を引き締めていきたいと思います。
今後ともNii Schoolをよろしくお願いいたします。