いよいよ夏休みが終わり、大学受験も終盤戦に差し掛かりました。
その時に出てくる問題として「志望校の変更」があります。
ここは正直プロとして一番難しいところであり、しんどい部分です。
塾生たちの入塾したタイミングというのはそれぞれで、別の塾で学んできた生徒や、これまで塾というものに入ったこともない生徒だっています。
そのような生徒たちは状況も違えば、家庭環境も違います。
どうしても国立じゃないとダメな生徒もいれば、国立はチャレンジしてダメなら私立でもいいという生徒もいます。
そうなったとき、受験を指導するプロとして冷静に判断して決して『無責任』にはなったらダメなんです。
例えば、高3のこの時期に入塾してきた生徒が難関大を目指したいと言って本人にいくらやる気があっても成績とやるべきことから考えて非常に厳しい時には「厳しいと思う」とはっきり言います。
これは相手が不機嫌になったり、悲しい顔になっても言います。
それは『無責任』にならないようにするためです。
僕たちはお金をいただいて受験の指導をしているわけです。
いくら教育理念があっても、塾は塾なので、学力向上や合格から目を背けてはいけません。
つまり結果をしっかり持って来ないといけない。
そうなった時、単純に「不可能なんてない」と言い放って、ポジティブ全開の面談なんて無責任の何物でもないわけです。
そうならないように、僕は面談で押すところは押すが、冷静に判断すべきところは冷静に判断し、プロとして話をします。
ただここで大事なのは「なりたい自分」を捨てないことです。
これがすごく難しいのですが、簡単に説明すると通過点はいろいろあることを認識させるイメージです。
例えば医者になりたかったとします。
A大学が第一志望だけど、そこに合格する確率は低いとします。
その面談の時に「A大学は厳しいと思う」と伝えますが、それだけで終わったとしても僕がいる意味はありません。
もう一度、本人と「なぜA大学にいきたいのか」を話します。
そうすると「医者になりたいから」という「なりたい自分」が出てくるので、その「なりたい自分」から目を背けず、「だったらB大学でも医者にはなれるぞ」と話をするんです。
これはA大学というものが全てであるという認知を変え、「なりたい自分」をしっかりと確認し、そこにいく通過点を変更するだけだという話をします。
これは本人にとっては難しい選択だと思います。
しかし、あくまでA大学へ行くのは医者になるための手段であることを考えればB大学を検討することは何も間違いではありません。
そしてB大学を一旦考えて、計画を立てたりします。
またそうではなくて、落ちて私立や第二志望でもいいからこの第一志望は受験したいと決意している生徒もいます。
その生徒には、どんなに確率が低くても、合格確率を高める計画を一生懸命考えます。
大事なのはもちろん「本人がどういう選択をしたいのか」です。
ただここにはプロとしてのアドバイスや判断が必要になってくるし、そこにポジティブだけでは太刀打ちできないんだよというお話でした。
これからたくさん生徒たちと向き合って、いい教育を実践したいと思います!!