こんにちは。Nii Schoolの武末です。
今日は、保護者の皆さまにお伝えしたい大切なテーマがあります。
それは『待つことの大切さ』についてです。
子どもの変化を信じて待つ――
この言葉の重みを、僕自身、日々の指導の中で痛感しています。
成績は上がるのに、変わらない生徒
ある高1の男の子がいました。
入塾して成績は確実に上がっていく。
でも、学習に対する姿勢や生活態度が、なかなか変わらない。
僕はその子の保護者の方と何度も電話をしました。
「こういう声かけをしてみましょう」
「今回はこういう様子でした」
そんなやり取りを重ねながらも、大きな変化は見えなかった。
何度も面談をし、何度も本人と約束を交わし、その都度保護者の方に共有する。
その繰り返しでした。
「またダメかも」と思ったその直後に
そして高2になったある日。
また本人と面談し、今までと変わらないような会話をして、何回目かわからないくらいの『約束』をしました。
「また言ってるだけでしょ」
「どうせ変わらないよね」
きっと保護者の方も、そして僕も、どこかでそう思っていた。
その直後、やはり本人は保護者に八つ当たり。
『またか』という空気が流れる中…。
急に、変化が起きました。
毎日自習室に通い、定期テストでは過去最高得点を叩き出したのです。
あの瞬間、僕は確信しました。
変化は、待てたからこそ起きた
あの変化が訪れたのは、ただ一つ。
『信じて待てたから』です。
もし僕たちが途中で強く当たっていたら、もし保護者の方が焦って見切りをつけていたら、あの変化はなかった。
指導者として日々試行錯誤する中、保護者の皆さまが『どれだけ信じて待てるか』これが、変化を生む最大の要因なのだと、今では本気で思っています。
僕の娘も「何もしなかった時期」があった
実は、僕の娘が公文に通い始めて2ヶ月、まったく何もやらない時期がありました。
ペンを持たない。
何も書かない。
ただ座っているだけ。
それでも、毎回授業料はかかります。
でも、僕はこの『やらない期間』がとても重要だと知っていました。
だから何も言わず、ただ送り迎えをしていました。
そしてある日、突然、娘は自分で宿題を出し、自らプリントを広げて勉強を始めたのです。
やらない時間も、立派な「学びの時間」
あの2ヶ月間は、決して無駄ではありませんでした。
表面上は「何もしていない」ように見えても、子どもの心の中ではたくさんの変化が起きています。
安心を感じ、空気に慣れ、自分から動こうとする“種”が育っていた。
それが芽を出すまで、ただ時間が必要だっただけです。
教育者の視点から見れば、こういう『空白期間』はとても意味があります。
でも、その時間を信じて待てるのは、僕たち指導者ではなく、『親であるあなた』しかいないんです。
心理的安全を守れるのは、親だけ
断言します。
『見守って待つことに集中できるのは親だけ』です。
そしてその見守りが生む『心理的安全』は、どんな学力向上のテクニックよりも圧倒的に力を持っています。
子どもは、誰かに信じてもらえることで、初めて「自分も変わろう」と思えるようになります。
最後に
待つことは、決して楽ではありません。
もどかしくなることもあるし、不安になることもある。
でも、そこで『信じて見守る』という姿勢こそが、子どもにとっての最大の支えになるんです。
僕たち指導者も、全力でサポートします。
だからこそ、ぜひ保護者の皆さまには、その『待つ力』で、一緒に子どもの未来を育んでほしいと思っています。
それではまた!